2006年02月28日

序章B3

 フィリスは席を立つと、幸繁に寄った。
「あなたはあれを危険視しているのかもしれないけれど、私はあれに未来を見たの」
「未来、ね。酔ってないか?」
「ええ。少しね」
 泥酔したフィリスの酒癖の悪さは当人が一番よく承知している。よって、ほろ酔い程度にとどめているのだ。
「……そうかね」
「あら、こんな時間。今日はここに泊めてくださるかしら?最近は幸繁さんが(結婚してから)遊んでくれないから寂しいの」
「……」
 なぜか冷や汗を流して黙り込む夫の代わりに、妻が言った。
「どうぞ。私達と一緒の部屋でいいかしら?」
 正妻の余裕を見せつけたのだった。
「あら、楽しくなりそうね」
 笑顔で返すフィリス。
 残りの当事者である幸繁は一人、大きくため息をついたのだった。
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2006年02月27日

序章B2

 一般に人型電算機と呼ばれるそれは、生物の柔軟性と機械の緻密性を兼ね備え、単純な電算機よりもはるかに優れているとされている。
 しかしそれは遠い昔に失われた技術であり、復元には長い年月が費やされてきた。最近になってようやく実用化のめどが立ったのだが、問題は山積していた。
 最大の問題と言うのが、倫理面の問題である。
 現在の技術では人間、あるいは魔族のような知性体の肉体……有機体と電算機を組み合わせ、一から育てる手法が最も無難であると言える。だが、そうやって作られた人型電算機に基本的人権は付与されるべきなのだろうか?
 ある一派は主張した。有機体から作られた電算機は明らかに人工物であり、人間として認める必要はない、と。またある一派は主張した。人型電算機は人間の肉体を持った知性体であり、魔族同様人権は与えられるべきである。また、任務を受け入れるかどうか決める権利を与えられてしかるべきだ、と。
 そもそも全てが論外だと言う意見もあった。人が人を材料として人ならざる人を作るのは自然の倫理に反すると。

 幸繁自身は人型電算機に対してやや否定的な思考を有していた。倫理的な観念というよりはむしろ、生まれながら電算機とされた者の心情をおもんばかったのである。

「最初はネールヴィア氏族の者を素体に用いるわ」
 フィリスはそっけなく言った。ネールヴィア氏族は元々上への忠誠心が強い種族である。フィリス自身、よほど理不尽な命令でなければしたがって当然と考えているフシがあった。
「それは……」
「心配しすぎよ、幸繁君」
 フィリスは一蹴した。
「電算機と言ってもちょっと機械がついているだけの事。拒否権は与えられる予定よ。もっとも、電算機でなくなるようにする技術は実現に程遠いけれど」
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2006年02月26日

序章B

−帝国暦611年、秋津洲市−


「……本当にやるつもりなのか」
 『帝国』近衛軍第一近衛師団少将・伊勢崎幸繁は言った。
「ええ」
 ネールヴィア氏族軍第四軍副将軍、フィリス・スコルトはこともなげに言った。
 彼女はネールヴィアでも兵家として著名なスコルト家に生まれた。銀の髪をさっそうとなびかせ、若い兵達には目の毒であろう極めて魅力的な肉体を軍服に包んだ女性。それでいて、自分の才を鼻にかけることなく、周囲に分け隔てなく優しい暖かい女性である。
 しかし、士官学校以来の付き合いである幸繁は知っている。確かに彼女はしとやかで心優しい女性だ。だが、それは彼女の持つほんの一面に過ぎない。
 ときに、必要ならどんな事でさえやってのけるのがフィリスであった。

「お茶が入りましたよ」
 金髪の女性が、二人の間に割って入るかのように現れた。
 伊勢崎・L・ルティア。8歳年下の幸繁の新妻である。
 幸繁が大陸に出征した時に拾った少女で、21歳になった先日、ようやく想い人と祝言を挙げたのだった。
 軽いやきもち心の表明なのだろう。フィリスと目が合うといたずらっぽく舌を出して見せた。つられてフィリスも笑う。
「……」
 幸繁は肩をすくめた。
「ルティ」
「あら?なあに、あなた?」
 白々しく言うと、ルティアは体を幸繁に預けた。さすがにこれにはフィリスも眉をひそめる。
「幸繁さん、話に戻りましょう」
「ああ。ルティ、そこに座りなさい」
「はぁい……」
 ルティアは不満を隠そうともせずに椅子に座った。

 幸繁とフィリスがさっきから話していた問題。それは、知性体の電算機化である。
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2006年02月25日

江戸スレミッション

1.二ヶ月ほど前から娘がさらわれる。

2.現在百名に達している。

3.白昼、いきなりかき消えることも。

4.さらに魔物が暴れている。



解決策

桧垣、真帆を招聘。
腕に覚えのあるものを集め討伐隊を組織。

報酬は渋川藩からの借金。
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2006年02月24日

江戸スレ修正点

7390

おばちゃん「この先の天山城の城下では、近頃若い娘がよく急にいなくなるんでよ。殿様もそれをなんとかしようと諸国にお触れを出しておるんじゃ」

おばちゃん「この先の天山城の城下では、近頃若い娘がよく急にいなくなるんでよ。お嬢ちゃんも気をつけな」

お龍「ふうん」


7397

島友「ええい、これで今月に入って三人目じゃぞ。多城?触れはどうなっておる?」

多城「は、仰せの通り触れを江戸を初め諸国に流しておりますが……」



島友「ええい、これで今月に入って四十人目じゃぞ。多城?やはり手がかりはつかめぬか」

多城「は、方々に手を尽くしてはおりますが……」


7426

島友「さて、女子がさらわれだしたのは半年ほど前からの事じゃ。

島友「さて、女子がさらわれだしたのは二月ほど前からの事じゃ。


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2006年02月20日

棺墓道士

棺墓道士

道士。
美鳳の生みの親。
研究と金が大好き。

世界を渡る能力を持ち、いくつかの拠点を持っている。
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2006年02月19日

美鳳

美鳳

珍しく自意識のあるキョンシーの少女。

大量の精気を必要とする。
貴彦の秘書となる。
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2006年02月18日

帝都革命事変のこと(1)

335(8月16日)〜

「全国民に告ぐ!我々は全日本社会主義革命戦線!我々は今現在この国に蔓延する軍国主義・資本主義を真に憂い、ここに日本社会主義人民共和国の建国を宣言する!」

 全日本社会主義革命戦線と名乗る反乱組織は首都圏において陸軍の一部部隊を巻き込んだ大規模な反乱を起こした。世に言う帝都革命事変である。


−その数年前。

「君達は希望を胸に抱いてこの学び舎の門をくぐった事だろう」
 士官学校教官・赤城悠長は言った。
「現実の戦場はあまりにも過酷であり、絶望にくれる事もあるかもしれない。だが、入学時の大志を忘れないで欲しいのだ。君達には、それを叶えるだけの実力があると私は信じている」
 そこで話が終わっていれば、実に感動的な場面だったのだが。

「赤城教官!」
 一人の生徒が挙手した。
「何かね?」
「赤城教官は何故軍に志願されたのですか?」
 その問いに、赤城は迷う事無く答えた。

「ソヴィエト軍とか好きだからー!!」

 教室が凍った。



「赤城少将閣下!」
 若い中尉は返事を待たずにドアを開け放った。5名の部下が続いて部屋になだれ込む。
「どなたです?」
 赤城の隣の席に座っていた銀髪の美女が鋭い声を上げた。人型電算機参謀、愛称『丸楠』である。彼女の愛称は上司である赤城がつけたものであった。かのカール・マルクスが命名元である事は、彼の『変わった』趣味を知らぬものでも容易に想像がつくものだった。
 赤城は片手を軽く上げ、丸楠を制した。そして侵入者に顔を向ける。懐かしい顔だった。

「おや円下留守くん、士官学校の卒業式以来だな。新しい遊びかね?」
「違います!!」
 かつての教え子は力の限り否定した。
「閣下!先ほど全日本社会主義革命戦線と名乗る反乱軍が蜂起しました!」
「革命か。それは夢のある話だ」
 中尉は一瞬ぽかん、となったが、すぐに銃口を赤城に向けた。
「『革命は銃口から生まれる』ある革命家の至言だね。ふむ、君も革命軍一味かね?」
「違います!!」
 円下は力いっぱい否定した。
「我々は閣下を反乱分子として拘束しに来たのです」
「えー、なんで?」
「な、『なんで』って……おっしゃられても」
 赤城は肩をすくめた。
「私は反乱分子じゃないよ」
「は?」
 赤城の独特なノリになんだか挫けそうになりつつも、憲兵は言った。
「……閣下は反乱分子に加担してないとおっしゃる?」
「当たり前だろう」
 かつての教官は『君は何を言っているんだ?』と言わんばかりの顔をした。

「もし日本が共産化したら、ソヴィエト軍と戦えなくなるじゃないか」
「……」
 もの凄い理屈であるが、不思議と説得力があった。
「というのはもちろん冗談だ。私は確かにソヴィエトが好きだが、仰ぐ旗は間違えていないつもりだよ」
「……」
 円下中尉は、黙ったまま銃を下ろさない。
「やれやれ、信じてくれんかね?まあ仕方ないかな」
 赤城一門に著名な共産主義者がいる事は有名だった。というか、赤城の場合日ごろの言動がアレであるためか。
「申し訳ございません、これも仕事ですゆえ」
「ふむ……まあ、人生一度は逮捕されてみるのも一興かな。丸楠君、懐の銃を床に捨てたまえ」
「……はい」
 銀髪の女性はあっさりと従い、隠し持っていた銃を床に落とした。
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2006年02月17日

江戸スレ草案2

語り

……それはもののけや怨霊が地にはびこっておった頃の話じゃ。
今でも同じではないか、じゃと?いやいや、今のもののけなぞ比べ物にならぬわ。

そのころはわしも三国一の美女と……なんじゃそのうさんくさそうな目は。
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2006年02月16日

江戸スレ草案1

伊勢崎(平井)二郎三郎貴久

伊勢崎藩の支藩・油津藩藩主の息子。



お龍

取り潰された館林藩の生き残り。
貴久を護る。



緋梨栖

貴久の使役する妖狐。普段は銀狐の姿。



理姫

渋川城の姫。
貴久を狙う。
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2006年02月14日

ルフィーナの乱終結

ルフィーナ公爵夫人の葬儀、行われる

【6日 ヴァイカル 秋津洲通信】

 先日勃発したルフィーナの乱(通称ゲオルギィ&ルフィーナ事件)の首謀者であるルフィーナ・ヴァイカル=シューリャ・ヤクート公爵夫人らの葬儀が3日、シェルエン帝国ヴァイカル市中央教会でしめやかに行われた。
 戦死した二人の公爵家家臣バルシャイ氏、エメリッヒ氏も共に弔われた。両氏の遺体はヴァイカル国立墓地に葬られた。ルフィーナ夫人の遺体、ならびにヤマタノオロチの残骸は火葬され、遺灰がヤクート島・ヤクート家墓地に葬られている。

 教会での記帳者は3日間で帝室御一家をはじめ市民3万人を超え、喪主のヨシフ・ヴァーリィ・ラインスキィ氏(ルフィーナ女史の夫、伯爵位返上し旧姓復帰)は謝意を表明した。



特別法廷、判決を下す

【8日 ユジンスク 太平洋新報】

 シェルエン帝室特別法廷による『ルフィーナの乱』戦犯に対する判決が7日下された。
従犯の公爵家家臣べレンコ、ミュラー両被告は懲役10年の実刑判決を受けた。両被告は控訴せず。

 主犯の一人であるゲオルギィ被告に対してはイリーナ皇女によって赦免状が提出されており、また主治医によって『犯行当時、被告は善悪の判別能力が低下していた』との診断もあって、不起訴・保護観察処分となった。被告は謹慎を表明している。

 なお、べレンコ、ミュラー両被告に対してもイリーナ皇女の赦免状により懲役2年・執行猶予4年に減刑する特赦が予定されている。

 なお、従犯の公爵家家臣ミロノフ被告は拘置所から脱走、現在も逃走中である。



伊豆半島の火山活動、終息へ

【8日 大日本帝国 箱根太平洋新報】

 今月1日に現地入りした環太平洋火山学会・環太平洋地脈学会の合同調査班は大日本帝国・伊豆半島で先月から続いていた火山活動が沈静化したと発表した。
 これは『ルフィーナの乱』による地脈の理力枯渇が原因で、合同調査班長のジェファーソン・カメハメハ大学教授(地脈力学)は『とりあえず地脈は正常に戻った。今後は富士山への影響を慎重に調べたい』と話している。

 なお、5日にシェルエン帝国政府は伊豆半島噴火で被害を受けた民間人、民間企業、日本政府、地元自治体に対する補償交渉を開始している。
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2006年02月13日

菱平桂花

菱平桂花

渋川四天王にして軍医。少尉待遇。

両性具有。ときどき奇声を上げる癖がある。
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2006年02月12日

鶴ヶ谷誠臣

鶴ヶ谷誠臣

海軍中佐。渋川四天王。

渋川理緒と共に高崎に赴任。艦長を務める。

『お嬢様は四天王の中で一番の小物』発言や主人への評価を見るに、なかなかゆうもあに溢れた人物。
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2006年02月11日

渋川四天王

渋川四天王……だがなぜか13人(永久欠番2人含む)である。


10年前の渋川家発足時は本当に四人だった。

現在判明している渋川四天王


鶴ヶ谷誠臣……海軍中佐。高崎艦長

菱平桂花……『癒し』軍医。少尉待遇らしい。

渋川理緒……『四天王の中で一番の小物』とのこと。
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2006年02月10日

渋川理緒

桐生家分流、渋川家の出。
父・渋川海軍大将の末娘で、甘やかされて育ったワガママ娘。

桐生閥の刺客として、海軍中佐として赴任してくるが……?
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2006年02月03日

序章3

「電算機の運用は一つの答えになるのではないかと上層部は考えている」
 幸繁はルティアが差し出した茶を飲み干した。
「すでに多数の電算機を運用しているあの国に学ぶことは多いはずだ」
「はい……」
 貴彦はとりあえず相槌を打った。
「それで」
「はい?」
「頼みを聞き入れてくれるのかね?くれないのかね?」
「えっ、あっ、いや、その……」
 貴彦は口ごもった。そもそも大公爵に異を唱えるという選択肢自体ありえないものであるのだが。
「館林君と離れるのがつらいかな?」
「い、いえそんなことは」
 貴彦は明白に否定したつもりだった。
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2006年02月02日

ルフィーナ・ヴァイカル=シューリャ・ヤクート

ルフィーナ・ヴァイカル=シューリャ・ヤクート

ヴァイカル公爵夫人。夫はヨシフ・ヴァイカル=ヴァーリィ・ヤクート伯爵。

従姉妹のナターシャが帝位に就いた事に不満を抱いていた。
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