2006年03月04日

帝都革命事変のこと(3)

 機械を通じて話しているのは、帝国陸軍弐号司令機のシノである。
 司令能力こそ日本帝国軍最強であるが、機能の過重搭載と引き換えに極度の虚弱体質なので滅多に陸軍総軍本部から出ることはない。今回、視察に出たシホはシノのクローン脳を搭載した端末機を随行させていた。先ほどシホが起動させた機械がそれである。
「そんなことはどうでもいい。状況はどうか?」
「総軍司令部内の叛乱分子はすでに制圧しましたが、政府各機関や大本営、陸軍参謀本部、海軍軍令部、空軍総司令部は敵の制圧下に。皇居では近衛の『武尊』が防衛戦闘中。福岡の西部軍、新京の関東軍、京城の朝鮮軍からの応答がありません」
「海軍は」
「桜花提督率いる連合艦隊が東京湾に展開中。独自に奪回作戦を発動した模様」
「ふん、そうか。やはり背後にいるのはソヴィエトか?」
「ウラジオストクのソヴィエト極東艦隊が津軽海峡を通過。九州に中共軍の艦隊が到達したとの情報も」
「なかなか愉快な状況になっているな」
「愉快ですか?」
「皮肉だ、馬鹿者」
 いらいらしながらシホは机に指を突いた。北京の支那軍総司令部にいる自分は陸も海も敵に塞がれてしまっている。
「さて、どうしたものか……」
 とは言うものの、シホのとる道は決まっている。何が立ちふさがろうと力ずくで突破するのだ。
posted by 蒼野青 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 電算司令部 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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