2006年01月06日

序章2

「君にひとつ頼みたいことがある」
 大公爵はさりげなく話を切り出した。
「……大日本帝国への駐在武官、ですか?」
 貴彦は首をかしげた。
 数年ほど前から並行世界のいくつかと交流が始まったこと、その中に大日本帝国という平行国家があるということは貴彦も知っていたが、いきなり駐在武官になれというのも妙な話だ。
「あの国は電算機の先進国だ」
 一見納得できるような理由を幸繁は述べた。
「はあ」
「理由が足りないかな」
「い、いえそういうわけでは……」
「ふむ」
 大公爵は肩をすくめた。
「君はもう少し図太く生きた方がいいと思うが」
「も、申し訳ありません」
「……」
 哀れむような視線を向け、幸繁は続けた。
「知っての通り解放機構と当方の戦力は均衡状態にある」
 貴彦はうなずいた。10年ほど前から秋津洲を盟主とする環太連と人類解放機構は南亜と南北米でにらみ合いを続けている。
posted by 蒼野青 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 電算司令部 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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