2006年03月05日

帝都革命事変のこと(4)

−羽田沖−

 航空機の行きかう普段に比べるとずいぶん静かな空の下、艦隊が遊弋していた。
 日本の友邦、北極連邦の連邦空軍第五艦隊である。
 北極連邦は亡命者によって建国された国家である。公営の企業の下、労働と引き換えに衣食住を保障するという体制はどこか社会主義的ではあるが、同時に複数の企業を競合させ、自由主義経済的な側面も持ち合わせている。
 日本とは(ソヴィエトやアメリカ、欧州連合に比べれば)利害が一致しやすいため、安全保障条約を結び羽田や沖縄の下地島等に軍を駐留している。

 連邦空軍の人型電算機、文月はテレビのスイッチを入れた。
 チャンネルを次々と変えてみるが、どれを見ても反乱軍、もとい『革命戦線』の政見放送であった。
「お堅いですねぇ。一つくらい普通の娯楽番組を流してくれてもいいのに」
 のほほんと茶をすする文月。と、そこで電話が鳴った。

「あ、はい文月です」
「こちら連合艦隊の桜花です。文月さん、御無事ですか?」
「ええ、こちらは何ともありません。そちらはいかがですか?」
「我々は第一艦隊を始め健在の三個艦隊で東京湾内に進入、帝都奪還を図るつもりです」
「なるほど、では条約に基づき我々の同盟軍としての参戦を御希望ですか」
「はい、そうしていただけると助かりますね」
「わかりました、御武運を」
 通話を打ち切ると、文月は大きく伸びをした。
「さて、参りますか」
posted by 蒼野青 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 電算司令部 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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