2006年11月01日

2・introduction

 人型電算機の開発は急速に広がった。
 元祖たる大日本帝国では本家本流の『桜花』『シホ』を始めとする系統の他にも、石井博士による石井型電算機(義体兵)、人間に司令脳を埋め込む半電算機など。北極連邦では体の大半を機械としたもの、クローンを改造したものなどが開発された。
 アメリカにおいては当初宗教的な問題が提起されたが、状況に押し切られる形で開発が進むこととなる。

 当初艦隊運用のみを目的として生み出された人型電算機も、数と種類の増加により多様化の道をたどった。
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2006年05月12日

帝都革命事変(8)

奪回部隊を率いるのは北京軍区司令員(北京軍区司令)。

人民解放軍のお膝元の司令が、無能であるわけが無い。

が、この人物、ちょいと問題があった。


「ああ……我が不倶戴天の宿敵、シホ司令は今頃兵士どもによって蹂躙されているのだろうか」

拳を握り締め、涙する司令員。

「もし私が命令を出す立場にいるならば、そんなことは決してさせなかった!捕虜として名誉ある待遇を命に代えてでも保障する。いや、そうしたかった」

敵とはいえ、悲惨な目に遭っている(はずの)少女に同情しているのだろうか?

ちょっと違う。

「シホ司令をいいようにもてあそぶとはなんとうらやま……いや許せん!
彼女は気丈で誇り高い女性だから、どんなに陵辱され、汚されても涙一つ流さないだろう!
だが!『こんな奴らに私の純潔を奪われるなんて……』と心の中で泣きじゃくっているに違いない!い、いや!それはそれで萌えっ!!」

そう、シホ萌えだったのである。

「……おい、メガネ」
隣にいた男が、ぽつりと言う。
しかし司令員の耳には入っていないようだ。

「北京開放の暁には、シホ司令を汚した悪魔どもを一人残さず処刑してやる!!ぜったいにゆるさーん!」
「……まあ、気持ちはわからんでもないが、メガネ、ちょっと返事しろ」
隣にいた男は頭を抱えたくなった。周りの部下どもが困惑した表情でこっちを見ている。


「そして私は彼女に優しくこう言うんだ。『何も心配しなくていい。これからは私が守ってあげるからね』きっと傷付いた彼女の心に響くに違いない!彼女は今まで抑えていた感情のたがが外れて私の胸にすがりついて」

司令員の妄想は肥大を続ける。
脳みそお花畑ってこういう状態のことか。
隣にいた男……中央軍事委員会主席は頭痛がしてきた。

「そ、それから……『司令員殿、どうか私をなぐさめてくれ……』とか言って体を委ねて来たりしちゃったりして!?」

業を煮やした主席は、なにやらひょうたんのような物を取り出し、司令員に向けた。

「おい!メガネ!!」
「え、主席殿ってうわー!?」

司令員はみるみるひょうたんに吸い込まれていった。

「……我が人民解放軍に下品な男は必要ない」
 一度言ってみたかったんだこの台詞。ま、ちょっと頭を冷やさせてやるか。
 主席はほっと一息を着いた。

「しゅ、主席それは?!」
「オシオキボックスチャイナバージョンとかいう、日本語で『懲罰』、英語で『箱』という意味の単語のつながったやつだ」
政治委員に、主席は得意げに説明した。
「はあ……そんなもの、どこで?」
「香港で買った」
「……なるほど」
政治委員は納得した。香港て何かそういうの有りそうだし。
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2006年05月11日

帝都革命事変のこと(7)

中国大陸は乱れていた。

北斗の拳並みに。

日米停戦。
米ソ戦争。
ソヴィエト敗戦、そして分裂。
国際政治の力関係が変動するたびに各勢力の陣地は一進一退を繰り返し、今ではわけくちゃわからない状態になっていた。

北京、広東、上海、漢口。
日本陸軍はこれらの主要都市を押さえ、東部に一定の勢力を築いてはいたが、東部各所に点在する中国共産党の軍事拠点を攻めきれず、西部にいたっては国民党と共産党のツギハギ状態……

さて。

そんな中国共産党の魂の結晶とも言える都市がある。北京の東にある第二北京がそれだ。
朝鮮・満州と日本軍に取り囲まれていながらも、北洋艦隊を保持し北京奪還のための牙を研ぎ続ける。

そして……

第二北京を進発した人民解放軍は、いよいよ北京を奪回せんとしていた。
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2006年05月09日

帝都革命事変のこと(6)

現在我々、帝国陸軍第一近衛師団隷属ノ一部部隊ハ皇居ニテ防衛戦闘中。
我ガ方ノ現兵力ハ、二個小隊程度デ総員約八十。
小銃部隊ノ為軽機関銃以上ノ装備ハ無ク、火力・兵力共ニ圧倒サレツツアリ。
陛下ヲマズハ非常用地下脱出路ニオ連レスルモ、現状デハ帝都ヨリノ脱出ハ不可能。
至急救援ヲ請フ。
ワレ引キ続キ戦闘ヲ継続ス。
天皇陛下万歳。

陸軍司令機『武尊』は大きく息を吐き出した。
第一近衛師団に所属する彼女の唯一にして最大の任務は、今上天皇の護衛。

今さっき伝えたとおり、状況は決して芳しくない。

だが。白旗を揚げるわけには行かない。逃げ出すなどもってのほか。

ずがァァァァン!

迫撃砲の着弾。

敵はいよいよなりふり構わなくなってきたらしい。
破片をまともに受けた部下が、血まみれでうめく。

しかし、彼女達は『近衛』。

その最期の瞬間まで、『あの方』を護り抜かねばならないのだ。


「まだ天皇は捕まらんのか!?」
『日本社会主義人民共和国』書記長・葉埼は苛立っていた。
「ええい、かまわん!迫撃砲でも何でも撃ち込んでやれ!
もともと生かしておいてやる気など無い。それが早いか遅いかの違いだけだ。
あの帝国主義の生み出した偶像を、さっさと葬り去ってしまえ!
真の人民による平和世界に、最も不必要な存在に他ならん! 」

天皇を否定しながら、天皇に固執する。
彼もまた、天皇に魂を曳かれた日本人に過ぎなかったのかもしれない。

この時、彼がやるべきことは『反動勢力』の制圧であり、味方の解放軍を迎え入れる事であった。

それに、天皇は帝国主義の生み出した偶像などでは断じてない。
皮肉っぽく言えば、もっと凶悪な存在。

実権をとうの昔に失っているにも関わらず、時の権力者どもが政権を握るための『権威』であり続け、

権力者が消えては生まれる栄枯盛衰をよそに『雲の上』で超越的に存在し続ける。

その辺の事を、彼は理解していたのだろうか……
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2006年03月09日

帝都革命事変のこと(5)

−重巡『陸奥』−


『冬桜』
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2006年03月05日

帝都革命事変のこと(4)

−羽田沖−

 航空機の行きかう普段に比べるとずいぶん静かな空の下、艦隊が遊弋していた。
 日本の友邦、北極連邦の連邦空軍第五艦隊である。
 北極連邦は亡命者によって建国された国家である。公営の企業の下、労働と引き換えに衣食住を保障するという体制はどこか社会主義的ではあるが、同時に複数の企業を競合させ、自由主義経済的な側面も持ち合わせている。
 日本とは(ソヴィエトやアメリカ、欧州連合に比べれば)利害が一致しやすいため、安全保障条約を結び羽田や沖縄の下地島等に軍を駐留している。

 連邦空軍の人型電算機、文月はテレビのスイッチを入れた。
 チャンネルを次々と変えてみるが、どれを見ても反乱軍、もとい『革命戦線』の政見放送であった。
「お堅いですねぇ。一つくらい普通の娯楽番組を流してくれてもいいのに」
 のほほんと茶をすする文月。と、そこで電話が鳴った。

「あ、はい文月です」
「こちら連合艦隊の桜花です。文月さん、御無事ですか?」
「ええ、こちらは何ともありません。そちらはいかがですか?」
「我々は第一艦隊を始め健在の三個艦隊で東京湾内に進入、帝都奪還を図るつもりです」
「なるほど、では条約に基づき我々の同盟軍としての参戦を御希望ですか」
「はい、そうしていただけると助かりますね」
「わかりました、御武運を」
 通話を打ち切ると、文月は大きく伸びをした。
「さて、参りますか」
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2006年03月04日

帝都革命事変のこと(3)

 機械を通じて話しているのは、帝国陸軍弐号司令機のシノである。
 司令能力こそ日本帝国軍最強であるが、機能の過重搭載と引き換えに極度の虚弱体質なので滅多に陸軍総軍本部から出ることはない。今回、視察に出たシホはシノのクローン脳を搭載した端末機を随行させていた。先ほどシホが起動させた機械がそれである。
「そんなことはどうでもいい。状況はどうか?」
「総軍司令部内の叛乱分子はすでに制圧しましたが、政府各機関や大本営、陸軍参謀本部、海軍軍令部、空軍総司令部は敵の制圧下に。皇居では近衛の『武尊』が防衛戦闘中。福岡の西部軍、新京の関東軍、京城の朝鮮軍からの応答がありません」
「海軍は」
「桜花提督率いる連合艦隊が東京湾に展開中。独自に奪回作戦を発動した模様」
「ふん、そうか。やはり背後にいるのはソヴィエトか?」
「ウラジオストクのソヴィエト極東艦隊が津軽海峡を通過。九州に中共軍の艦隊が到達したとの情報も」
「なかなか愉快な状況になっているな」
「愉快ですか?」
「皮肉だ、馬鹿者」
 いらいらしながらシホは机に指を突いた。北京の支那軍総司令部にいる自分は陸も海も敵に塞がれてしまっている。
「さて、どうしたものか……」
 とは言うものの、シホのとる道は決まっている。何が立ちふさがろうと力ずくで突破するのだ。
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2006年03月02日

帝都革命事変のこと(2)

「なんてザマだ」
 あっさり返り討ちにあった叛乱兵たちを一瞥し、大将の階級章をつけた若い女性はつぶやいた。
 大日本帝国陸軍の初号司令電算機、シホ大将である。

「諜報部の連中は何をやっていた?」
 現在の時点では詳しい事はシホにはわかっていなかったが、かなりの大規模な叛乱であるらしい事は容易に予想できた。
 諜報部が事前にその動きを掴めなかったという事が無性に腹立たしい。
 そこに、古い歌の文句が脳裏に響いた。『そなたの敵は、うじゃうじゃおるぞ。ここにも、そこにも、あそこにも』
「まあ……アカの入り込む余地はいくらでもあるか」
 叛乱兵士がなにやらわめいていた文句から、叛乱の首謀者が共産勢力であるらしい事はわかった。大日本帝国軍と共産主義というのは、真っ向から対立するように見えて意外と親和性が高い。おそらくはそういった共産親派が叛乱に関わっているのだろう。

 部屋の中を歩き回り動いている敵兵がいないか確認する。三名が既に事切れている以外は気絶しているようだった。
 シホは立ち止まると、一人呟いた。
「さて、これからどうするか」
「シ……シホさま……」
 足元からの声だった。
「ん……?」
 声を発した男に視線を向ける。先ほど襲い掛かってきたところを、軽く殴り倒した兵士であった。
 彼の顔は何故かにやけていた。シホがその原因に気付くのには、5秒を要した。彼の角度から見える物、と言えば……
「シ、シホさまのお、おぱん」
 ……スカートの中身を見られていた。
「痴れ者……ッ!」
 とりあえず足で止めをさしておく。気絶した叛乱兵は至福の表情を浮かべていた。


「シノ!聞こえているか!?」
 一拍置き、何の反応もないことにシホは舌打ちした。
「ちっ、肝心な時に……」
 机に軽く腰掛けると、横にあった機械を起動させる。
「はい、こちらシノ」
「私だ」
「シホ大将、ご無事ですか?」
 無機質な声が機械から響いた。
「問題ない。シノ缶、状況はどうか」
「『シノ缶』ではなく遠隔司令機です」
 シノ缶と呼ばれた機械が反論した。
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2006年02月28日

序章B3

 フィリスは席を立つと、幸繁に寄った。
「あなたはあれを危険視しているのかもしれないけれど、私はあれに未来を見たの」
「未来、ね。酔ってないか?」
「ええ。少しね」
 泥酔したフィリスの酒癖の悪さは当人が一番よく承知している。よって、ほろ酔い程度にとどめているのだ。
「……そうかね」
「あら、こんな時間。今日はここに泊めてくださるかしら?最近は幸繁さんが(結婚してから)遊んでくれないから寂しいの」
「……」
 なぜか冷や汗を流して黙り込む夫の代わりに、妻が言った。
「どうぞ。私達と一緒の部屋でいいかしら?」
 正妻の余裕を見せつけたのだった。
「あら、楽しくなりそうね」
 笑顔で返すフィリス。
 残りの当事者である幸繁は一人、大きくため息をついたのだった。
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2006年02月27日

序章B2

 一般に人型電算機と呼ばれるそれは、生物の柔軟性と機械の緻密性を兼ね備え、単純な電算機よりもはるかに優れているとされている。
 しかしそれは遠い昔に失われた技術であり、復元には長い年月が費やされてきた。最近になってようやく実用化のめどが立ったのだが、問題は山積していた。
 最大の問題と言うのが、倫理面の問題である。
 現在の技術では人間、あるいは魔族のような知性体の肉体……有機体と電算機を組み合わせ、一から育てる手法が最も無難であると言える。だが、そうやって作られた人型電算機に基本的人権は付与されるべきなのだろうか?
 ある一派は主張した。有機体から作られた電算機は明らかに人工物であり、人間として認める必要はない、と。またある一派は主張した。人型電算機は人間の肉体を持った知性体であり、魔族同様人権は与えられるべきである。また、任務を受け入れるかどうか決める権利を与えられてしかるべきだ、と。
 そもそも全てが論外だと言う意見もあった。人が人を材料として人ならざる人を作るのは自然の倫理に反すると。

 幸繁自身は人型電算機に対してやや否定的な思考を有していた。倫理的な観念というよりはむしろ、生まれながら電算機とされた者の心情をおもんばかったのである。

「最初はネールヴィア氏族の者を素体に用いるわ」
 フィリスはそっけなく言った。ネールヴィア氏族は元々上への忠誠心が強い種族である。フィリス自身、よほど理不尽な命令でなければしたがって当然と考えているフシがあった。
「それは……」
「心配しすぎよ、幸繁君」
 フィリスは一蹴した。
「電算機と言ってもちょっと機械がついているだけの事。拒否権は与えられる予定よ。もっとも、電算機でなくなるようにする技術は実現に程遠いけれど」
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2006年02月26日

序章B

−帝国暦611年、秋津洲市−


「……本当にやるつもりなのか」
 『帝国』近衛軍第一近衛師団少将・伊勢崎幸繁は言った。
「ええ」
 ネールヴィア氏族軍第四軍副将軍、フィリス・スコルトはこともなげに言った。
 彼女はネールヴィアでも兵家として著名なスコルト家に生まれた。銀の髪をさっそうとなびかせ、若い兵達には目の毒であろう極めて魅力的な肉体を軍服に包んだ女性。それでいて、自分の才を鼻にかけることなく、周囲に分け隔てなく優しい暖かい女性である。
 しかし、士官学校以来の付き合いである幸繁は知っている。確かに彼女はしとやかで心優しい女性だ。だが、それは彼女の持つほんの一面に過ぎない。
 ときに、必要ならどんな事でさえやってのけるのがフィリスであった。

「お茶が入りましたよ」
 金髪の女性が、二人の間に割って入るかのように現れた。
 伊勢崎・L・ルティア。8歳年下の幸繁の新妻である。
 幸繁が大陸に出征した時に拾った少女で、21歳になった先日、ようやく想い人と祝言を挙げたのだった。
 軽いやきもち心の表明なのだろう。フィリスと目が合うといたずらっぽく舌を出して見せた。つられてフィリスも笑う。
「……」
 幸繁は肩をすくめた。
「ルティ」
「あら?なあに、あなた?」
 白々しく言うと、ルティアは体を幸繁に預けた。さすがにこれにはフィリスも眉をひそめる。
「幸繁さん、話に戻りましょう」
「ああ。ルティ、そこに座りなさい」
「はぁい……」
 ルティアは不満を隠そうともせずに椅子に座った。

 幸繁とフィリスがさっきから話していた問題。それは、知性体の電算機化である。
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2006年02月25日

江戸スレミッション

1.二ヶ月ほど前から娘がさらわれる。

2.現在百名に達している。

3.白昼、いきなりかき消えることも。

4.さらに魔物が暴れている。



解決策

桧垣、真帆を招聘。
腕に覚えのあるものを集め討伐隊を組織。

報酬は渋川藩からの借金。
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2006年02月24日

江戸スレ修正点

7390

おばちゃん「この先の天山城の城下では、近頃若い娘がよく急にいなくなるんでよ。殿様もそれをなんとかしようと諸国にお触れを出しておるんじゃ」

おばちゃん「この先の天山城の城下では、近頃若い娘がよく急にいなくなるんでよ。お嬢ちゃんも気をつけな」

お龍「ふうん」


7397

島友「ええい、これで今月に入って三人目じゃぞ。多城?触れはどうなっておる?」

多城「は、仰せの通り触れを江戸を初め諸国に流しておりますが……」



島友「ええい、これで今月に入って四十人目じゃぞ。多城?やはり手がかりはつかめぬか」

多城「は、方々に手を尽くしてはおりますが……」


7426

島友「さて、女子がさらわれだしたのは半年ほど前からの事じゃ。

島友「さて、女子がさらわれだしたのは二月ほど前からの事じゃ。


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2006年02月18日

帝都革命事変のこと(1)

335(8月16日)〜

「全国民に告ぐ!我々は全日本社会主義革命戦線!我々は今現在この国に蔓延する軍国主義・資本主義を真に憂い、ここに日本社会主義人民共和国の建国を宣言する!」

 全日本社会主義革命戦線と名乗る反乱組織は首都圏において陸軍の一部部隊を巻き込んだ大規模な反乱を起こした。世に言う帝都革命事変である。


−その数年前。

「君達は希望を胸に抱いてこの学び舎の門をくぐった事だろう」
 士官学校教官・赤城悠長は言った。
「現実の戦場はあまりにも過酷であり、絶望にくれる事もあるかもしれない。だが、入学時の大志を忘れないで欲しいのだ。君達には、それを叶えるだけの実力があると私は信じている」
 そこで話が終わっていれば、実に感動的な場面だったのだが。

「赤城教官!」
 一人の生徒が挙手した。
「何かね?」
「赤城教官は何故軍に志願されたのですか?」
 その問いに、赤城は迷う事無く答えた。

「ソヴィエト軍とか好きだからー!!」

 教室が凍った。



「赤城少将閣下!」
 若い中尉は返事を待たずにドアを開け放った。5名の部下が続いて部屋になだれ込む。
「どなたです?」
 赤城の隣の席に座っていた銀髪の美女が鋭い声を上げた。人型電算機参謀、愛称『丸楠』である。彼女の愛称は上司である赤城がつけたものであった。かのカール・マルクスが命名元である事は、彼の『変わった』趣味を知らぬものでも容易に想像がつくものだった。
 赤城は片手を軽く上げ、丸楠を制した。そして侵入者に顔を向ける。懐かしい顔だった。

「おや円下留守くん、士官学校の卒業式以来だな。新しい遊びかね?」
「違います!!」
 かつての教え子は力の限り否定した。
「閣下!先ほど全日本社会主義革命戦線と名乗る反乱軍が蜂起しました!」
「革命か。それは夢のある話だ」
 中尉は一瞬ぽかん、となったが、すぐに銃口を赤城に向けた。
「『革命は銃口から生まれる』ある革命家の至言だね。ふむ、君も革命軍一味かね?」
「違います!!」
 円下は力いっぱい否定した。
「我々は閣下を反乱分子として拘束しに来たのです」
「えー、なんで?」
「な、『なんで』って……おっしゃられても」
 赤城は肩をすくめた。
「私は反乱分子じゃないよ」
「は?」
 赤城の独特なノリになんだか挫けそうになりつつも、憲兵は言った。
「……閣下は反乱分子に加担してないとおっしゃる?」
「当たり前だろう」
 かつての教官は『君は何を言っているんだ?』と言わんばかりの顔をした。

「もし日本が共産化したら、ソヴィエト軍と戦えなくなるじゃないか」
「……」
 もの凄い理屈であるが、不思議と説得力があった。
「というのはもちろん冗談だ。私は確かにソヴィエトが好きだが、仰ぐ旗は間違えていないつもりだよ」
「……」
 円下中尉は、黙ったまま銃を下ろさない。
「やれやれ、信じてくれんかね?まあ仕方ないかな」
 赤城一門に著名な共産主義者がいる事は有名だった。というか、赤城の場合日ごろの言動がアレであるためか。
「申し訳ございません、これも仕事ですゆえ」
「ふむ……まあ、人生一度は逮捕されてみるのも一興かな。丸楠君、懐の銃を床に捨てたまえ」
「……はい」
 銀髪の女性はあっさりと従い、隠し持っていた銃を床に落とした。
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2006年02月17日

江戸スレ草案2

語り

……それはもののけや怨霊が地にはびこっておった頃の話じゃ。
今でも同じではないか、じゃと?いやいや、今のもののけなぞ比べ物にならぬわ。

そのころはわしも三国一の美女と……なんじゃそのうさんくさそうな目は。
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2006年02月16日

江戸スレ草案1

伊勢崎(平井)二郎三郎貴久

伊勢崎藩の支藩・油津藩藩主の息子。



お龍

取り潰された館林藩の生き残り。
貴久を護る。



緋梨栖

貴久の使役する妖狐。普段は銀狐の姿。



理姫

渋川城の姫。
貴久を狙う。
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2006年02月14日

ルフィーナの乱終結

ルフィーナ公爵夫人の葬儀、行われる

【6日 ヴァイカル 秋津洲通信】

 先日勃発したルフィーナの乱(通称ゲオルギィ&ルフィーナ事件)の首謀者であるルフィーナ・ヴァイカル=シューリャ・ヤクート公爵夫人らの葬儀が3日、シェルエン帝国ヴァイカル市中央教会でしめやかに行われた。
 戦死した二人の公爵家家臣バルシャイ氏、エメリッヒ氏も共に弔われた。両氏の遺体はヴァイカル国立墓地に葬られた。ルフィーナ夫人の遺体、ならびにヤマタノオロチの残骸は火葬され、遺灰がヤクート島・ヤクート家墓地に葬られている。

 教会での記帳者は3日間で帝室御一家をはじめ市民3万人を超え、喪主のヨシフ・ヴァーリィ・ラインスキィ氏(ルフィーナ女史の夫、伯爵位返上し旧姓復帰)は謝意を表明した。



特別法廷、判決を下す

【8日 ユジンスク 太平洋新報】

 シェルエン帝室特別法廷による『ルフィーナの乱』戦犯に対する判決が7日下された。
従犯の公爵家家臣べレンコ、ミュラー両被告は懲役10年の実刑判決を受けた。両被告は控訴せず。

 主犯の一人であるゲオルギィ被告に対してはイリーナ皇女によって赦免状が提出されており、また主治医によって『犯行当時、被告は善悪の判別能力が低下していた』との診断もあって、不起訴・保護観察処分となった。被告は謹慎を表明している。

 なお、べレンコ、ミュラー両被告に対してもイリーナ皇女の赦免状により懲役2年・執行猶予4年に減刑する特赦が予定されている。

 なお、従犯の公爵家家臣ミロノフ被告は拘置所から脱走、現在も逃走中である。



伊豆半島の火山活動、終息へ

【8日 大日本帝国 箱根太平洋新報】

 今月1日に現地入りした環太平洋火山学会・環太平洋地脈学会の合同調査班は大日本帝国・伊豆半島で先月から続いていた火山活動が沈静化したと発表した。
 これは『ルフィーナの乱』による地脈の理力枯渇が原因で、合同調査班長のジェファーソン・カメハメハ大学教授(地脈力学)は『とりあえず地脈は正常に戻った。今後は富士山への影響を慎重に調べたい』と話している。

 なお、5日にシェルエン帝国政府は伊豆半島噴火で被害を受けた民間人、民間企業、日本政府、地元自治体に対する補償交渉を開始している。
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2006年02月03日

序章3

「電算機の運用は一つの答えになるのではないかと上層部は考えている」
 幸繁はルティアが差し出した茶を飲み干した。
「すでに多数の電算機を運用しているあの国に学ぶことは多いはずだ」
「はい……」
 貴彦はとりあえず相槌を打った。
「それで」
「はい?」
「頼みを聞き入れてくれるのかね?くれないのかね?」
「えっ、あっ、いや、その……」
 貴彦は口ごもった。そもそも大公爵に異を唱えるという選択肢自体ありえないものであるのだが。
「館林君と離れるのがつらいかな?」
「い、いえそんなことは」
 貴彦は明白に否定したつもりだった。
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2006年01月27日

ゲオルギィ事件

【20日ユジンスク太平洋新報】

先日帝宮にて乱心し爆破事件を起こしたゲオルギィ・ヴァイカル=ヴァーリィ・ヤクート公爵が大日本帝国領のグアム島で秋津洲帝国軍兵士によって逮捕拘禁されていることがこの度明らかになった。
秋津洲帝国の駐シェルエン大使牧原氏によれば、グアム島に一時難を逃れていたシェルエン帝国イリーナ第二皇女を追って不法入国していたゲオルギィ氏が駐日秋津洲軍の強襲揚陸艦『高崎』を襲撃、逮捕拘禁されたとのこと。
この事件に対し皇帝ナターシャ陛下は20日朝の定例会見で「内輪のことで我が国、秋津洲、日本の民には大変迷惑を掛けた」と謝罪の意を表明した。


【20日ヴァイカル秋津洲通信】

ヴァイカル市のヴァイカル公爵邸で拘束されていたゲオルギィ・ヴァイカル公爵の実母ルフィーナ・ヴァイカル=シューリャ・ヤクート公爵夫人が密かに脱走していたことがわかった。
ルフィーナ女史はナターシャ陛下暗殺の陰謀を企てていたことが判明しており、シェルエン帝国政府はルフィーナ女史を国際指名手配、目撃情報を募集している。
ルフィーナ女史の夫であるヨシフ・ヴァイカル伯爵は記者の質問に対し、「妻は息子を溺愛しており、ゲオルギィこそ皇帝にふさわしいと常にもらしていました。ですから日本に向かったかもしれません。みなさんには迷惑を掛けて申し訳ありません」と述べた。

【20日ユジンスク連合】

シェルエン帝国政府の劉国家保安委員長は記者会見で、「ルフィーナ公爵夫人の有力な情報に2000万(日本円相当)の金塊を懸賞金として掛ける」と述べた。
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